・2023年内の本誌最新話までの話を含むものとしてください。
・頑張って毎年恒例にしている今年書いたもの総括です。
・だいぶギリギリに大慌てでしたためているので内容はざっくりです。気が向いたときにちょろっと書き足したりしています。
・リンクの表示とかをちょっと直しました。
1/13『音読練習帳の話』
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19099818
これ2023年に書いたやつ?マジ?と真っ先に思ったくらいには書いたのめちゃくちゃ前だと思っていました。言われてみれば本誌でどうにも五条悟が死にそうだったので、書き上げる前に死なれたら困ると結構根詰めて短期間で書いたような気もします。本誌はたぶんチビ伏黒の任務の話のちょっと前くらいの、伏黒宿儺受肉あたりだったはずだから若干気が早いかも。
この話ができたきっかけは、五条が死ぬとしたらクレプスリーのように、誰かのために死を選ぶような感じになるんじゃないかな(戦闘の結果として敵に倒されるには強すぎるので…)(バリアとビームとリジェネを全部持ってるなんて白猫で言うなら呪剣クエスト時代の剣シャルじゃんね)(伝わらない)と思っていたのと、ちょうど運動のお供にしようと思って年末年始にAmazon Audible的なやつに登録して昔大好きだったダレンシャンシリーズを一から聴き始めたみたいなあれそれだった気がします。結局読み直したくなっちゃってクレプスリーが死ぬ巻と最終巻をKindleで買っちゃいました。
伏黒恵は律儀にクラスメイトの女の子と読書交換するだろうな、それはそうとしてそんなことしてたら可愛いなと思って書いていました。中盤ほぼダレンシャンのあらすじを書いているだけみたいな箇所があるのですが、シリーズもので意外と長いけどかと言って中途半端に端折るとバンパニーズ大王ってなんやねんみたいな感じになっちゃうしでも
※※※この総括はダレンシャンの重要なネタバレを含みます※※※
スティーブが因縁の敵でラスボスってことだけはもし万が一私のこの短編をきっかけにダレンシャンを読もうとしてくれる人がいたら申し訳ないから絶対に言及したくないみたいな気持ちとかがあったのでいい感じに要約するのは実はかなり骨の折れる作業でした。
バカデカ声でごめんくださいをしてカナブンがいたことを教えてくれる五条と素手で虫を掴んでポイできるほうのチビ黒恵がお気に入りです。あと「やだなー、早起きするの」って言う津美紀も好きです。たぶんだけど心から嫌なんじゃなくて、明日は日直なんだという会話の一環として「やだなー」って言っているだけのフラットな感じです。
改めて読み返して思ったけど話の締め方としては直近で書いたものの中ではこれが一番好きかもしれないです。
コメントや引用RTでダレンシャン昔大好きだった!というのを複数いただき大変嬉しかったです。私も本当に本当に大好きでした。
1/16『五伏ワンライ 第15回 ホットミルク』
https://neica.fc2.page/works/novel/satmeg-one/659/
ワンライ最近何も参加できていなくてヤバ〜!と思って書いたやつのはず(?)です。谷崎潤一郎『痴人の愛』のナオミみたいな危うい女の子が好きなんです。これは性癖の開示です。
あと付き合ってから年上側に言われて敬語をやめたり呼び捨てに矯正させられるタイプの年下の年の差カップルが好きかもしれないです。なんかそういう対等感というかむしろ年下優位みたいな感じを出して遊ぼうとした結果の短編でした。文庫メーカーの画像がちゃんと四枚で収まったの実はちょっと嬉しかったです。
1/22『本誌最新話読みました!?』
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19158457
本誌展開に歓喜してSSを書いて上げちゃうの久々にWJジャンルにいる〜!というのを体感できてめちゃくちゃ楽しかったです。このノリ懐かしいよね。中高生のときに個人サイトでよくやってたよね。わかるよね、ね!?
毎年総括書くときはちゃんと作品自体を読み直して当時書きながら考えたこととかを思い出しているんですが、今年はあまりに時間ないので大変申し訳ないですが割愛です、と当初は書いていたのですが、一応ちゃんと各作品読み直して追記しました。偉いね。
時間がなかったことについては、言い訳すると今年は本当にわけわからんくらい働いてました。本当に忙しかった…人生で一番忙しかった2021年を上回る忙しさと社畜度合いでした。南無。
チビ恵、きっと最初は我が道を行くタイプのチビだったんじゃなかろうかとあのときの本誌の「無視すーんーなーよー」を読んで思いました。恩人です一応みたいなことを言ったり丁寧語になったりしたのは、きっともう少し時間をともにして五条悟という呪術師を知ってからだったんだろうなみたいな妄想です。
2/19『二〇一八年の君へ』
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19341888
今年まともに書いた長編これだけになっちゃったネ…
人を選ぶ系統の話(分類上は死ネタ、後述)かつ自分が好きなものを思いのままに詰め込んでしまったので、内輪の刺さってくれそうな方々に刺されば僥倖くらいに思っていたのですが、思っていたよりもたくさん読んでいただけて大変嬉しかったです。好きなもの書いたしこれにて引退じゃ、と思っていたような気もするのですがなんやかんや細々とですがまだいるのでおかしいですね。
これについては書き終えた直後にいや絶対今年も総括を書くし絶対にギリギリになるし書く頃には何を思ったかなんて忘れてるに違いないぜ何せ私だからな!と思って事前に準備しておいた書きかけのあとがきがあるのでこの総括の末尾に載せておきます。何せ大変長いもので…。
上記で後述とした死ネタ云々ですが、これを書き始めたときには実はいくつかの終わり方候補があったはずなのですが、書き進めているうちに一番の幸せはここで終わることだろうなと思ってあの結末になったので、なんとなく当初は自分の中でこの話を死ネタと呼ぶことに違和感があり、確か死ネタタグもつけていなかったと思います。ただ最終的に死ぬことには違いないので、冒頭の注意書きで「死ネタとか駄目な人は…」みたいなぼかし方をしていました。初めから心中させようとか死なせようみたいなつもりはなくて、ただ結果として死ぬしかなかったみたいな感じです。
終わり方候補はもう薄らとしか覚えていないのですが、確か五条だけが生き残るエンドと、恵が奇跡的に正気に戻るエンドだったと思います。(後者は本当にそんな展開にするつもりはなくて、まあここでそうなったら大層ご都合主義だけれども無難なハッピーエンドだよなあと思ったくらいのあれです。)
前者はまごうことなきバッドエンドなので、心からバッドエンドを嫌う者としてはまず選べず、また後者は後者で、それまでの物語で積み上げた十三年間を台無しにするのは不誠実だなと思ったので早々に没になったという経緯だったと思います。
バッドエンドのことを、書き手の技量と根気があればもっと綺麗なまとめ方にできたところを技量が足りず/手抜きしたためにぶつ切りで終わったもの、くらいに認識している節があるので、バッドエンドはあまり好きではないです。物語を唐突に終わらせてしまうのはいつだって楽なんだ。野良のダンプカーを一台捕まえてきて撥ねさせればいいだけですからね。そうプロフカードにも書こうと思っていたのですがたぶんそのままになっています。
なので私はこの話をメリバですらない…と思って…おりまして…。さすがに怒られそう。個人的にはノーマルエンドくらいの気持ちですが、じゃあトゥルーは?と聞かれたらわからないです。総括末尾あとがきの「書き足すとしたら…」の話までが付いていたらきっとトゥルーエンドだったんじゃないかと思います。
5/14『五伏ワンライ 第12回 月が綺麗』
https://neica.fc2.page/works/novel/satmeg-one/743/
Twitterに投稿したときに「バイクに二ケツしてアリゾナの荒野を走ってくれそうなほうの五伏を目指していました。」と書いたのですが、思い浮かべていた荒野が実はネバダであったことが後日発覚しました。ごめ〜〜〜ん!!
地球的に見れば誤差みたいなものだと思うので何卒ご容赦ください。
途中で恵が高速道路の非常階段を降りて非日常に向かおうとするのは村上春樹『1Q84』のオマージュというか好きな場面をちょいと借りましたくらいのあれです。本当はこういう話を他の作品の総括でもしたかったんだ…たぶんいろいろ入れていたはずだから…。
ちなみに村上春樹は『ノルウェイの森』上下巻と『1Q84』上巻だけ読めば良いよと思っている派閥です。あとはどれも似たようなエッチなお姉さんとエッチなことする話なので、どうせなら一番良い感じのこの二つを読むのが良いです。『1Q84』(ハードカバー三冊/文庫本六冊)は読んでも中巻(ハードカバー二巻/文庫本四巻)くらいまでで大丈夫です。あとはエッチなお姉さんとエッチなことしてるだけなので。自論です。
本編に話を戻すと、これは長らく下書きに眠ったままになっていたのですが、冒頭のカリカリした恵をあまりに気に入りすぎてしまい、どうにか表に出したいなと思って頑張って仕上げたものだったはすです。ひと息のあいだに流れるように毒づく恵くんも好きです。
これも「こんな世界二人でぶっ壊しちゃおうよ」系統というか亜種の話だと思っているので、思えば2023年は自分の好きなものばかり書いた幸せな一年だったかもしれません。
ちなみにたしかaikoの「夏の星座にぶら下がって…」の曲を口ずさみながら書いていたのですが、あれは夏の星座にぶら下がってこんな街二人でぶっ壊しちゃおうよという歌詞ではないらしいです。あの人の別の曲で、靴を蹴り上げて月をぶっ壊そうみたいなのなかったっけ。なんかそんな感じのイメージでした。
6/10 ごめふし展示作品
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20052836
これサイトに格納していなかったのいま気づきました。甘々ハッピー不健全ラブコメでした。
お店の準備とかするのめちゃくちゃ楽しかったです!スペースまで遊びにきていただきありがとうございました!
期限に合わせて展示可能な作品を書けるほど器用ではないので内心は波瀾万丈だったのですが、どうにか間に合えてよかったです。大変だったけどまた機会があれば参加したいなとうっかり思ってしまうので、ああこうやって人は即売会とかに出るようになるんだなあと実感したりもしました。
これは本編の最後にあとがきを入れているからまあいいか〜という気持ちです。今読み返すとちょっとくすぐったいわね。あまり普段書かない系統のお話でした。
12/19『236話後の話』
https://neica.fc2.page/works/novel/satmeg-short/769/
これも短編自体のあとがきのところに書きたいことを大体書いてしまったので割愛します。最近聴いた流行歌のフレーズをいくつか拝借した箇所があったはずなので、いつか総括を書き足すときに言及できればと思います。
伏黒恵の人生はあの日五条が路地裏に迎えにいったから始まった物語だと思っている節があるので、今度は恵が空港に五条を迎えに行く番だみたいな思想が根底にありました。
以上、近年稀に見る駆け足で大変申し訳ないですが私の2023年はこんな感じでした。アニメやってるあいだに過去編話とか書けたらよかったなとぼやくだけはタダなんですね。
たぶん間に合わないと思ってすでに何度か年の瀬の挨拶をしてしまっているような気がするのですが、改めて本年は大変お世話になりました。来年はぜひ一緒に呪術廻戦最終話を迎えられればと思います。
以下『二〇一八年の君へ』のところで言及した、当時書いていたあとがきです。長いので隅っこに載せておきます。長編を書き切った直後の「長編書き切ったハイ」で書いたものなのでそれだけご留意ください。今総括したらこんなテンションでは書けないです。
あといつか時間があるときに推敲して体裁を整えるだろうみたいな甘い見通しで書いた上にそんな時間はなかったので体裁めちゃくちゃで申し訳ないです。
あとがき
構成いっぱい悩んだ
難しかった
算数苦手だから年齢計算あってるかめちゃくちゃ計算した
HFみたいな袋小路の話が好き
イリヤと第三魔法をちょっと念頭に置いていた
記憶云々と中身の幼さ云々は直前までプレイしていたFGO LB7章のデイビッドゼムヴォイドがモデルというかプロトタイプで、1日5分の記憶しか持たないデイビッドとその隣で時にはどうしようもない父親のように、またはある時には悪い兄のように寄り添い続けたテスカポリトカの関係性があまりにも良く、じゃあそれがもし伏黒恵だったら五条悟はどうするかな、というのが出発点でした。ちょうど本誌で津美紀の受肉発覚で心が折れて、宿儺に身体を乗っ取られてときだったんですよ。そうしてぐしゃぐしゃになって心身ともに抜け殻になってしまった恵を、五条はどうするだろう。まずは恵を引き取るだろうな。事実上も法律上もガッチガチに固めて、使える立場も権力も権限も全て使って手元に置いておく。その前に恵を元に戻さないと。バレたらただでは済まないような死者蘇生一歩手前の禁術だろうと、術者にキツいフィードバックのある呪具だろうと、五条は躊躇いなく行使したと思う。でも実際に使ったのは高専一年の一学期にやるような呪物理論の応用(という脳内設定)で、壊れた魂の破片をひとつひとつ元通りに繋ぎ合わせれば魂が戻り、魂があれば肉体も戻るというその原理自体はとてもシンプルだけれども、実際にそんなことをできる人なんて普通はいないから、ほぼ死者蘇生のような術だけれど禁術指定にはされていない。五条は六眼で魂の継ぎ目までもが見えたから、それをひとつひとつ張り合わせて元に戻そうとした。いくら目が良くたって張り合わせる作業は気の遠くなるもので、まるで粉々の破片からガラスを元通りに復元しようとするに等しい。ひとつでも無くしても欠けても動かない、上手くいくかもわからないその作業を淡々と続けて、ようやく戻したはずの恵は二〇一八年より先には進めなかった。理論は正しかった。でも所詮は理論だった。継ぎ跡だらけの風船は膨らまない。
この二人は、何もなければいずれくっついていたはずの二人だった。……というのをもっと丁寧に書けば良かったのかもしれない。
この話は言うなれば伏黒にとってのミクトランパのつもりだったんだけどそう言って伝わるのはFGOの本編を最新話までやっている奇特な人だけなんだ
お気に入りは線香花火のところ
序盤で会話文ばかりで地の文が少ないのはそういう仕様です。高専では人がたくさんいて自分の知らない情報が飛び込んでくる環境で処理落ちしているような感じ。五との生活が始まってから会話も続くようになって回想も増えるのは、異物が極限まで排除された生活を送れているから。
五条視点のところは当初虎杖の外部視点の構想だった。でもそうすると最期で五条のセリフが多くなりすぎてテンポが悪かったので、悔恨と懺悔はそれより前に済ませて、最期はすっと穏やかに終わらせることにした。本当は自分で殺そうとしているくせに「まだ死にたくないって言ってよ」って駄々をこねる五条とかがいた。没ネタです。
最後まで決まらなかったのは十月。その一つ前が六月だったかな。入れたいエピソードと気候を考えてあれそれ動かした。
伏黒視点が綺麗な物語ばかりなのは、もう凹凸を感知できていないだけ。十三年のうちにはいい加減にしてよと語気を強める五条もたくさんいたし、もちろん何度も殺され未遂が発生しているし、そもそも伏黒視点から推測されるよりも遥かに正常じゃない状態のはず。ただそれをそういう形では表現したくなかった(できないことへの苦悩みたいなのはいずれできるかもしれない可能性が残された人間だけの特権なので、それはこの話のテーマではなかったから)。五条視点は手記のつもりだったので読みやすさよりも紙に行き当たりばったり書いている感じがほしくて、よく同じ内容のことを何度か繰り返しています。その中でも「恵はもう一人で日常生活を送れる状態にはなかった」というのがたしか四回くらい出てくるのですが、恵の状態は本当にその言葉通りのイメージでした。恵視点ではそこまで腫れ物に触れるような接し方をされていないように見えるだけ。五条視点はもう先に十二年を積み上げたあとの回想なので、今さらあれができないこれができないをひとつひとつ細かくは入れないようにしました。
一番フラットなのは九月の駅員の対応で、最寄駅に行こうとして日が暮れるまで歩いて券売機の前で行き先がわからず立ち尽くしているもう学生ではないだろうなという成人男性に、どれくらいの異様さがあればわざわざ小窓から顔を出して声を掛けるかなみたいなあれです。たぶん服装や外見、雰囲気がだいぶ違和感あったんだと思います。それか近隣駅でも同じように保護されたことがあって情報共有されてたか。
ラミネート加工されたカードには、五条の携帯の番号と、この子には記憶障害があります迷惑掛けます、みたいなことが書いてあったんだと思います。同じカードが鞄(このときは持っていないです)や服のポケットとかに入っていて、なるべく警察の世話にならずに済むようにと五条がひとつひとつ作りました。
当初の構想では最後はニュース記事だけにするつもりでした。そこにどれほどのドラマがあって、感情があって思い出を積み上げてきた十三年間だったとしても、虎杖と釘崎にとっては卒業後の消息すらよくわからない人たちであり、それ以上に二人を知らない人にとっては名前もない「県内に住む無職の四十二歳と二十九(八)歳の男性」でしかない。今までずっと読んできた物語は、新聞記事のたった一行に収まってしまう。二人しかいない世界はちっぽけなものだという話にしたかった。ただちょっとシュールな感じになりそうだったので野薔薇視点に変えました。せっかく写真も撮っていたしね。二人の最期を恵の誕生日かその直前にするのは当初からの構想です。渋谷事変での五条の年齢を超えてしまう前に終わらせるつもりだった。そこがタイムリミットだなというのと、あと二人はこの十三年間で誕生日を祝ったことはなかったと思うんです。もうめでたくはなくなってしまったから。
出せなかったけれど、この世界では家入硝子は死滅回游で死んでいます。生きていたら、きっと「そんなことしたらいつかお前の心まで駄目になるよ」って早々に止めてくれていたと思うので。
令和にふりがなを振った。恵は知らない言葉なので。
五条視点の虎杖が軽すぎないかと思ったけれど、この世界ではもう卒業してから何年も経ってるんですよ。ぼろぼろだったけれどみんな生き残って、無事卒業して働き出して。それを今さら湿っぽくはならないだろうとああなりました。釘崎と虎杖は卒業式の写真を自分たちの部屋に飾っているけれど、五条は封筒に入れたまま机の上に置いている。つまりそういうことです。
途中で何度か出てくる海は鎌倉から二宮まであたりを想像していた。八月は遠出して千葉県九十九里のあたりでもありかも。高専へのアクセス諸々を考えて二人は神奈川県内の横浜市より西の東海道本線沿線とかに住んでいたかなという想定です。
このあたりで車の転落事故が過去に存在したことは一応調べた。
最後は五条が恵のことを、拳銃自殺みたいに喉元から脳天までを呪力で斜上に撃ち抜いた想定。初めから心中するつもりがあったかというとたぶんそこまでは考えていなくて、恵を終わらせることしか頭になかったはず。でもいざ終わってみると恵のいない世界はあまりにも静かで、ずっと頭の中でぐちゃぐちゃに鳴っていたノイズがぴたりと止んで、とうに自分の世界は恵だけになっていたんだな、と思って自死。動かなくなった恵はまだ温かい。車が落ちるのが先か五条が自分の頭を吹き飛ばしたのが先かはわからず、ただ呪術師は呪力で殺す必要があるのと、六眼と術式を流出させるわけにはいかなかったので、頭部の自分で吹き飛ばしています。それを十二月の冷たい海の中でやったのか、全てが終わった後に車が落ちてしまったのかはわかりません。
もしいつか紙にするために加筆するとしたら、死後に星空の荒野であてのない旅をする二人とその夜明けの話かなと思います。終着点は天国と地獄への分岐路(あるいは類似の死後の世界への分岐路)で、他殺の恵と自殺の悟は同じところへは行けない(宗教観要確認&設定)ので、悟はここでお別れだねと寂しそうに笑うのですが、何馬鹿なこと言ってんだって恵が手を取って二人で地獄に向かうところで終わります。この恵は二〇一八年の記憶を持つ、二〇一八年の恵です。悟は四十二歳だけど、夜が明ける頃には二十八に戻っているかも。
途中でR-18にして初夜を繰り返す恵を入れようかとも思ったけれど五条視点にしか組み込めない上に、長くなりそうだし倫理的にもちょっとアレだったので没。無知シチュわんこ蕎麦いけたかもと思うと惜しい気持ちはある。実は五条視点分も一年と一ヶ月ずつ経過させる構想もあったけれど、そんなに頑張れませんと思って早々にやめました。大正解。
五条の左目を失明させたけれどその事実だけを述べていっさい描写を入れなかったのは、彼にとってそっちの喪失はその程度のことだったということです。
Q. 本出す予定あるんですか?
A. ありません(ゆるふわキュートなオン専お姉さんなので…)
以上