236話後の話 - 3/3

1.
 旧友たちが咲かせる思い出話の、心地よい喧騒が耳を擽る。気づけば僕は名前も知らない、きっと此の世のどこにも存在しないのだろう空港の待合椅子に腰掛けていた。全て終わったのだと、誰に言われるまでもなく理解した。五条悟は一騎討ちを挑み、両面宿儺に負けて死んだ。ああ、死んじゃったよ。僕にできることはもう何もない。一度かざして透かしてみせた手のひらを、そっと大事に握り込んだ。
「……楽しかったな」
 そう呟いて、さざなみ立つ違和感には目を瞑った。これでいいんだ、と言い聞かせる。そうだろう? だってこれはハッピーエンドだ。
 この身に宿るのは確かな充足だった。老衰でも病気でもなく、最高の状態で挑んだ、最善を尽くした激闘の末に命を落とした。厳しい戦いになるだろうことは初めから覚悟の上だった。それでも全力を出して、手数を尽くして、なお及ばずに敗北を喫した。
「なあ傑、俺たちはこれからどこに行くんだろう」
「なんだい、感傷に浸るなんてらしくないな」
「一生に一度の走馬灯だよ。僕だってちょっとくらいおセンチな気持ちになるさ」
 手足を投げ出して空を仰いだ。高い天井の向こうは見えるはずもなかった。隣にいる傑が笑った。本当に、あの校舎での日々に戻ったみたいだ。
「悟、君さ、一人称変えたんだね。似合ってるよ」
「もう十年も前の話だよ。……俺、これでも教師やってたの。ってさすがにそれはお前も知ってるか。会ったもんな、俺たち」
「会ったどころの話じゃなくない?」
「まあ、でも覚悟の上だったろ、お互い」
「うん」
 呟いた言葉が柔らかにほどけていった。
 俺たちのすぐ側を、幼い子供たちがきゃらきゃらと駆けていく。優しそうな笑顔の女の子と、むっと唇を尖らせた男の子だ。穏やかな気持ちのままにその姿を目で追った。姉弟なのだろう。良いものを身につけているから、親が裕福だったに違いない。さぞ恵まれた人生だっただろう。二人して少し大きいサイズを身につけているように見えるのは、ひとつの季節が過ぎるまでにも、それだけの成長を遂げることを期待されていたからに他ならない。まだまだ長い旅路が用意されていたはずだろうに、可哀想に。
 空間に、どこからともなく搭乗開始のアナウンスが流れた。飛行機は一つしか停まっていない。さっき通りすがった子供たちも、皆行き先は同じだった。
「なあお前らさ、ずっとここで俺のこと待っててくれたの?」
「勘違いするなよ自惚れ野郎。偶然そうなっただけだからな!」
 人の鼻っ面に不躾にも指を突きつける、快活なカチューシャが視界に飛び込んだ。割って入ったのは天内だった。その後ろには黒井もいた。
「成り行きですよ、成り行き」
「搭乗が始まるのをみんなで待ってたんだ」
「でも思いのほか揃っちゃいましたね。まったく先輩方も七海も、死ぬの早いんだから」
 おどけた灰原につられて、ふっと笑いが漏れた。

「時間だな」
 立ち上がってひとつ伸びをする。いつしか癖付いた忘れ物確認をしたけれど、まとめるような荷物は見当たらなかった。きっと何も持っては行けない。
 ふと、ずてん、と穏やかなこの場に似つかない音がした。先ほど見かけた子供たちの、弟のほうが転んでいた。しばらく走り回っていたようだったから、鬼ごっこでもしていたのかもしれない。姉は振り返ることもせず、楽しそうに駆けていってしまった。弟だけが、姉の消えた搭乗口をむすくれた顔で睨んでいた。
「あの子、悟の知り合い?」
「いいや。でもなんだかさ、まだ小さいのに可哀想だなって。姉弟っぽいけど、死ぬとき、親は一緒じゃなかったのかな」
 不躾な視線を送っていると、転んだ子どもと目が合った。
 違和感がふと浮かび上がる。先ほどはどうして、この子のことを恵まれただなんて思ったのだろう。子どもは薄暗い瞳をしていた。誰のことも信用していない、警戒心の強い目だった。その奥にあるのは諦念だ。この子は誰にも期待をしていない。
 翡翠のような瞳が僕を捉え、みるみるうちに険しい表情を湛えた。凪いだ諦念は跡形もなく消え去って、激情が奥で渦巻いている。
 初めから諦めていた。誰にも期待なんてしていなかったはずだ。それなのに今、どうしてこの子は俺を睨んでいる?
「なんだよ、俺にどうしろっていうの?」
 思ったよりも棘のある声が出て、子供は僅かに怯んだように見えた。さすがに、幼子に対して使う口調じゃなかった。罰が悪い気持ちで近づいてしゃがんで、視線を合わせた。善意ではなく、それがせめてもの罪滅ぼしだと思って手を差し伸べた。子供は俺の手を取らなかった。
「ねえ、僕にどうしてほしいの」
 きつく引き結ばれた口は動かない。前髪の間からは翡翠色の、恨めしげな目が覗いている。
「お姉ちゃんに置いていかれたんだろ。ほら行こうぜ、俺たちもみんな同じ便だ。乗るまで一緒に連れてってやるから」
 子供はそれでも動かなかった。まるで根を張ったみたいに微動だにしない。今に泣き出しそうな表情に対して、どうやら気は強いらしい。知らない子供を放っておいたところで痛くも痒くもないけれど、ここで引き下がるのはなんだか癪だった。我慢比べだ。こいつが口を開くまで、梃子でも動いてやるもんかと腰を据える。深みのある緑色は、じっと俺を睨んでいる。眼前に差し伸べられた手には目もくれない。
「悟、そろそろ行くよ。時間だ」
「わかってる。でも、この子が……」
「五条さん、早くしないとゲートしまっちゃいますよ」
「行かないんですか、五条さん」
 三対の瞳が見下ろしている。どれも穏やかな顔だ。まるで、俺の答えなんてわかりきっているとでも言うように。なんだよ、そんな目で俺を見るなよ。俺も一緒に行くよ、行くに決まっている。俺たちはこれから旅に出るんだ。だって、五条悟の戦いはもう終わった。もう全部、終わったんだから。
「……ねえ、君さ、僕たちと行かないならここでずっと一人だよ」
 子供は依然鋭い目つきのまま黙り込んでいる。
「君のお姉ちゃんも、先に行っちゃったでしょ」
 僕のそのひと言を皮切りに、強情そうな子供の瞳に静かに涙が溜まっていった。こいつ、こんな顔もできたんだ。
 だって、いつも冷めたような顔をしていただろ。僕に何を言われたってだんまりだった。
 ……いつも? 僕に何を言われたって?
 ギシリ。記憶の奥底で、歯車が違和感に軋んでいる。
 違う、それは出会ったばかりの頃の話だ。
 僕は、この子供を知っている。冷めた表情に、ふと明かりを灯すようにこの子は笑う。悔しければ、僕の前でも顔をぐしゃぐしゃに歪めて泣いた。呆れると、これ見よがしに肩をすくめてみせた。幸せだと、少し後ろめたそうに口元を結んではにかんだ。他人のためには声を荒げて怒った。振るわれる力は、いつだって誰かの思いを背負っていた。不器用で優しい子供だった。そんな純朴なこの子を、僕はずっと見守ってきた。
 刹那、鮮やかな思い出が幾重にも脳裏を駆け巡る。
 夕焼けに染まった住宅街の、古い木造建築の錆びた階段を登る足音。三者面談のために踏み入れた小学校の、僕にはあまりにも小さすぎる机と椅子。何度も呼び出された、空調のきいた校長室。鼻血まみれにして、一緒に掃除した僕の家の稽古場。古い給湯器のある、いつだって温かな家庭の匂いがしていた木造アパートの台所。任務として連れていった廃墟のような山小屋と雪。保護者席で感極まって、割れんばかりの拍手を送った卒業式。とうに日の落ちた首都高をひた走る、高専へと向かう車の中。いつだってそこにはこの子供がいた。迎えにいって、路地で初めて言葉を交わしたあの日からずっと。
「……ふしぐろ、めぐみくん」
 知っているはずの、小さな子供の名前を呼んだ。途端にまるで周波数が合ったみたいに、この子の声が飛び込んできた。
「死ぬときは独りだってアンタが言ったんだ!」
 子供は声をあげて泣いていた。どうして今まで聞くことができなかったのか、不思議なくらいに大きな声だった。
「こんなに大勢に囲まれた、幸せな世界で終わりなはずないだろ!」
 心の奥底から振り絞るようなその声に、とうに置き去ったはずの心臓が耳元でどくどくと脈打っている。剣幕に気圧されて、すとんと尻もちをつく。
 涙まみれの、小さな身体が僕を見下ろしている。恵はずっと昔に僕が買ってやった白い外套に、斜めがけの鞄を下げていた。これは僕もよく覚えている。犬のロゴが可愛くて、きっと恵は気に入ると思ったんだ。来年も着られるようにと、上着はひと回り大きなサイズを選んだ。別にまた買えばいいだろうに、僕が買い与えたそれをこの子が大事に大事に着たがるだろうことを、僕は初めからちゃんと知っていたんだ。
「めぐみ、」
「アンタは、おれと、同じ地獄に行くって言った」
 ああ、と嘆息する。胸中を駆け巡る色彩は鮮明だ。僕の人生の青色以外のもう半分は、他でもないこの子が塗り上げたものだ。
 僕はいったい、何をしているんだろう。楽しかったで終わらせていいはずがない。負けたのに満足? 馬鹿な、まだ何も成していないじゃないか。だって、まだ恵が泣いている。
 呼び覚まされた記憶と呼応するように、空間が幾千にもひび割れた。天井の向こうには手を伸ばせば届きそうな、澄んだ青が広がっている。バラバラに砕け散った欠片のひとつひとつが、降り注ぐ陽を受けて輝いている。
 戻らないと。一度は完膚なきまでに負けた身だ。僕にできることがまだあるかはわからない。それでも、このままここで終われるはずがない。
 でも、どうやって?
「……五条さん」
 目の前には小さな手が差し出されていた。まるで初めからそのつもりだったと言うように、恵は僕が立ち上がるのを待っている。
 過去に戻りたいなら南へ。新しい自分になるなら北へ。いつか耳にした、占いのような話を思った。今、そのどちらでもない選択肢は、小さな子供の形をして僕の前に立っている。恵が、腰を抜かしたままの僕の手を取った。僕はその感触を知っていた。握り潰してしまいそうだと不安になるほど小さいのに、温かくて、確固たる意思を持っている。
「ごめんなさい、でもこの人、まだやらなきゃいけないことがあるんです」
 崩壊する世界の中で、恵の声が凛と響く。対するのは僕の旧友たちだ。倍ほどの背丈のある面々に物怖じもせず、恵は彼らを見上げている。
「どうやらそうみたいだね。じゃあ現地集合でよろしくって、悟に伝えておいてくれる?」
「現地、ですか」
「大丈夫です伏黒君。規格外なあの人のことですから、進み続ければいつかまたここに辿り着くでしょう」
「そっか、君が七海の言ってた伏黒君かあ。初めましてだね」
 幼い姿の恵が、大人びた仕草でぺこりと頭を下げた。
「五条さんがお世話になりました。こんな人ですけど、戻ってきたらまた仲良くしてあげてください」
 それから恵は座り込んだままの僕を一瞥して、くい、と繋いだ手を引いた。今に駆け出しそうな小さな子供は、いつだって僕を置いていこうとする。
「早く、五条さん」
 空間はもう保たない。うん、と呟いて立ち上がって、一歩を踏み出した。その背中にパシリと衝撃が走った。驚いて振り返った。きっともう会うことのないだろう悪友が、満足気に笑っていた。
「勝ってきなよ悟。負けっぱなしで終わるなんて、らしくないだろ」
「……おう」
「強者としての、それから教師としての責任も、ちゃんと果たしてきてください」
「わかってるよ、言われなくても」
「大丈夫ですよ五条さん、僕らはこの先で待ってますから」
「ありがとな灰原。せっかく会えたけど、またな」
「次会ったときには因縁の激辛ソーキそば対決だからな!逃げるなよ!」
「やなこった、お前のお守りはもうごめんだ」
「んなっ」
「お嬢様…」
「冗談だよ。百辛にしてやるから覚悟しとけ」
 笑い声が上がる。次々に背中を打たれる衝撃に、自然と笑みが溢れていった。
「悟、硝子にもよろしく言っといて。絶対怒ってる」
「うん。傑もいつか謝れよ」
「はは、怖いなあ」
 きらきらと崩れゆく世界の向こうで、見知った背中は皆搭乗口へと消えていった。それを最後まで見送ることはしなかった。いつかまた、本当に本物の終わりを迎えたら、今度こそ、ここに帰ってくる時が来る。そう信じて、小さな恵の手を握って、崩落するコンコースを駆け抜ける。
 長い長い連絡路を通って、来たはずの道を戻っていった。パラパラと世界が解けていく。とうとう空間は行き止まった。向こうにまだ道は見えるのに、ここから先には進めない。
「この道はどこへ続いているの」
「さあ、俺にもわかりません。俺もこの先には進めない」
 小さな手を振りほどいて、ぽかぽかと二発、太ももの裏を殴られた。片方は津美紀の分だと声がした。それが届かない背中の代わりに叩かれたものだと知って、思わず小さな頭を撫で回した。決戦の朝、二人にはもう送り出してもらえなかった。恵はくすぐったそうに僕の手のひらを受け入れて、それから両手をぴたりと合わせた。足元から伸びる小さな影がとぷりと波打った。
「先にどうぞ、五条さん」
 影の淵に腰を下ろして、恵に促されるままに足をつけた。この先がどこに繋がっているかはわからないけれど、この中のことはよく知っている。質量すらない無で満たされた空間に、覚悟を決めて身を投じた。直前に見た恵は、懐から瑠璃色の玉を取り出していた。恵は当然僕についてくるのだと、その瞬間まで何の疑いも持たなかった。
「……アンタが俺の幸せを願ったように、俺も」
「恵?」
「───対価は俺だ。この人を戻せ」
 声とともに、世界は真っ暗に閉ざされた。直前に投げ込まれた瑠璃玉がゆっくりと輝き出して、無重力の海を揺蕩っている。淡い光が、僕の行くべき道を照らしていた。

* * *

 あとがきと補足

 原典の十種神宝のひとつ、死返玉で五条を生き返らせてしまった恵と、死者蘇生という大禁呪を犯したせいで此岸と彼岸の狭間に消えた恵の魂を取り返すべく冥界下りをする五条悟の話(ハッピーエンド)のあれそれをこねくり回していたのですが、どれも収まりが良くなかったのと、これだけたくさんの犠牲者を出しておいて二人だけが救われるのは物語のバランスが悪いなと思って、年内で仕上げるつもりでせこせこ書いていたものの没になりました。
 十種影法術は、オリジナルの十種神宝を下敷きにして禪院家が作り上げた神宝降霊儀式のための術式で、手順通りに十の式神を調伏して壊していくと、十種影法術師は最後にひとつ神宝を手にすることができるんだよ!(という脳内設定)。死んだはずの自分が生き返ったことについて、高専の医務室で「十種影法術のことは誰よりも僕が知っている。恵が死者蘇生なんてできるはずがない!」と声を荒げる五条とかがいました。また冒頭の五条の書いた手紙を恵が硝子さんから受け取って読んだのも高専医務室で、宿儺受肉と浴や津美紀殺し、五度の無量空処による肉体的・精神的負荷ですでに気の触れてしまっていた恵は、奇跡を見せると言って高専のみんなを呼び集めて死者蘇生を行います。一連の騒動で気がおかしくなってしまった恵を哀れんで集まっただけだった高専勢は、目の前にいたはずの恵が消えて代わりに死んだはずの五条が現れるからあらびっくり。五条も死んだはずの自分が生き返ったことに驚きつつ、代わりに恵がいなくなったのを知って『恵には幸せに生きていてほしい。最後にそう書いたじゃないか。僕は恵を取り戻すために戦うことを選んだ。恵はそれを読んで、手紙を前にして激怒したはすだ。当たり前だ。父親を殺した、全ての不幸の元凶のような男が、ずっと平気な顔をして隣にいたんだ。怒らないわけがない。二度と顔も見たくないと縁を切られる覚悟だった。それなのに、どうして。』みたいなことを思います。没パートからの抜粋です。それから頑張ってあれこれして恵の魂を連れ戻すために冥界下りしにいきます。
 常夜の世界や、冥界との狭間を彷徨う恵の前で何度も死んでは現れる津美紀の形をした悪霊とか、私が好き勝手に宗教チャンポンした舞台が実はちゃんとご用意されていました。津美紀の形をした悪霊は、恵(宿儺)に殺された因果のせいで冥界の狭間に巻き込まれた津美紀の善性の魂のひとかけらで、悪霊という形ではあるけれど、恵が元の世界に戻るのをちゃんと最後まで見届けてくれるんだ。何言ってるかわからんかもだけどそういう役回りだったし、そのシーンもちゃんと書いてあるんです。仕上がらずに没ったから出せないけれども……。
 肉体としての伏黒恵は、五条を死者蘇生した際にその対価として死んでいる(十種神宝で死者を生き返らせることはできるけど、そのためには等価交換が必要、みたいなあるある設定)ので、本当なら人外魔境新宿の戦犯としてそう遠くないうちに処刑されるはずだった恵は、五条に連れ戻されて此岸に戻った後は戸籍も術式もなく、名字も変えて五条とともに静かに暮らすよ!みたいなエンディングの予定でした。上記の通り恵の肉体はすでに消失している(どのみち宿儺の受肉諸々の負荷で長くは保たなかった)ので、最後はエセ第三魔法よろしく、魂の形の通りに外見を作り替えることのできる特殊な呪骸に魂を移して、五条の傍で人ではないものとして、ひっそりと人間のように歳を重ねていくんだろうな、という落とし所です。呪骸を用意するまでの間に合わせで、ツカモトみたいな感じの綿に魂を突っ込まれる伏黒恵(綿のすがた)とかもいました。ちなみにこの特殊呪骸や魂の移動関連でアイヌやら恐山やらの関係各所に借りを作りまくってしまった五条が、最後にしぶしぶ呪術高専の学長を継ぎます。
 一度たたらを踏んでしまった後ろ足に力を込めて「こんなところでは終われない」と再び前に進もうとする人間が好きなので、三途川空港から舞い戻った後に、恵はきっとまだどこかにいる!と冥界下りをする五条悟の話が書きたかったんです。やっぱり最強たるもの、冥界下りのひとつやふたつ経験しておくべきですからね。あれこれ長々と好きに語ったくせに、完成形でお出しできず面目ないです。
以上、私の236話でした。
良いお年を!